グローバル化する世界で存在感を増すアジア 多面的アプローチでその現代的課題に取り組みます

アジア研究センター共同研究一覧

本センターでは現在、8つの共同研究 が立ち上がっています。 センターのメインプロジェクトとして「アジアの水に関する総合的研究」に取り組んでいますが、 その他に個別の研究テーマによる7つの共同研究が組織され、複数の学部からなる所員を中心に外部の専門家も加わり研究が開始されています。

アジアの水に関する総合的研究

研究代表者
秋山 憲治
研究分担者
[学内]
川瀬 博、重村 力、高城 玲、田中 則仁、内藤 徹雄、廣田 律子、李 貞和、馬 興國、松本 安生、山家 京子
[学外]
佐藤 寛、原 隆一、松本 武祝
研究の内容
今世紀に入り、地球温暖化や人口の増加、発展途上国の経済開発などに伴い、水の問題は世界的なテーマである。アジアでは、中国の水不足や水質汚染が深刻となっており、タイでは洪水により企業や日常生活が深刻な影響を受けた。メコン川など多くの国際河川では、水をめぐり水戦争が勃発する可能性もある。水は上下水道などの生活インフラにも関係し、水ビジネスのチャンスも拡大している。水は我々の社会や文化などにも関連する基本的に必要不可欠な資源である。本共同研究は、水を通してアジアを多角的に研究するものである。
研究活動
  1. 水をめぐる諸問題の状況把握:文献や統計資料などの収集
  2. 研究会の開催と意見交換
  3. 現地調査やヒアリングなど

東アジアの国際経済・ビジネスの変還と現状そして今後の展望

研究代表者
田中 則仁
研究分担者
[学内]
秋山 憲治、孫 安石、山本崇雄、李貞和、魏 鍾振、松尾 仁
[学外]
李 淩、范 文勝
研究の内容
以下の5項目が研究の主な内容です。
  1. 日中経済貿易の発展経緯(初めにLT貿易の経緯と回顧)
  2. 日系企業の対中国貿易、直接投資などの発展、現状、課題
  3. 日韓経済関係―韓国のグローバル戦略、物流、港湾経済の現状と展望
  4. ASEANにおける日系企業の動向と課題
  5. アジアにおけるFTA-TPP、RCEPなどの動向と展望
研究活動
2017年度では、さらに現地調査、現状分析を深めるとともに、途中経過を含めて、研究成果の発表を行っていく予定です。研究会は公開講演会とし、上記の研究者のみならず、本学内外の関心ある方々に参加を呼びかけます。

東アジア4国際都市の脆弱地区の調査、ならびに環境社会再生への方法の探求

研究代表者
山家 京子
研究分担者
[学内]
内田 青蔵、重村  力、曽我部 昌史、趙  衍剛、中井 邦夫、松本 安生、鄭 一止
[学外]
鄭 一止、尹 柱善
研究の内容
東アジアの4国際都市-横浜(日本)、台北(台湾)、水原(韓国)、哈爾浜(中国)の脆弱地区を対象に、その課題・背景を調査・比較分析した上で、 再生戦略について国際的討論により議論を深めながら、アジア的都市再生計画論の構築を試みる。
研究活動
  1. 研究テーマに即した調査・研究の実施
  2. 研究討論会の開催

東南アジアから西アジアにおける民主化と経済発展

研究代表者
山本 博史
研究分担者
[学内]
後藤 晃、高城 玲、永野 善子、藤村 是清、村井 寛志
[学外]
ケイワン・アブドリ、平川 均、森元 晶文
研究の内容
多くの発展途上国は世界資本主義の包摂に直面し、所得の上昇はみられるものの、社会や政治の安定が損なわれている。東南アジアから西アジアにおける経済発展と民主化の問題点をそれぞれ固有な社会の実態にまで掘り下げて分析することで、民主化運動と経済発展のもつ現代的意味を考察する。
研究活動
  1. 年2-3回程度研究会を開催する。
  2. 研究分担者は各自のテーマに沿った現地調査を行う
  3. 研究テーマに即した題目で外部の専門家に発表を依頼する。

東アジアにおける安全保障秩序の変動

研究代表者
佐橋   亮
研究分担者
[学内]
横川 和穂、玉置 敦彦
[学外]
林  載桓、増田 雅之、湯澤 武、加藤 美保子、溜  和敏
研究の内容
 ヘンリー・キッシンジャーは15年夏にインタビューに答えて、戦略的な対立であった米ソ関係と異なり、米中関係は文明観の対立であり、共存が本来難しいため知恵を要すると答えている。現状を見ても、米中関係は今年にはいり明らかに悪化の一途を辿っており、その背景には国際秩序、ルール、また適切なパワーや技術の利用をめぐって深刻な理解のギャップがアメリカ(および先進諸国)と中国とのあいだにあるのではないか。しかし、米中関係が悪化すれば、それは二カ国の問題に留まらず、アジア、そして世界を揺さぶることになる。果たして、秩序はどのように形成されていくのだろうか。  
 上記の問いに答えるためには、アメリカの秩序観、アジア戦略と同盟、中国の秩序観、政軍関係をつぶさに分析することが求められるだろう。さらに、日本と中国、韓国にみられる隣国関係、今後も予断を許さない南北関係、両岸関係という分断国家問題、また機会主義的に東アジアに関心を示すロシアや、中国以上の成長インパクトを持つインドを分析することで、今後の東アジア秩序はみえてくる。
 本共同研究では、アメリカ、中国に関する分析を主軸に据えながら、秩序はどのように形成されてきたのか、そして変化する可能性があるのか、概念的分析を併行して行う。
 さらに、ロシア、インド、オーストラリア(また はシンガポール)など国内外から研究者を招聘(または寄稿を依頼)する。 最終的な成果は編書として出版する。
研究活動
2016年度が研究初年度に当たるため、共同研究参加者のあいだにおけるアプローチの一致を図ることが第一目標となる。また、内外の研究者の招聘を1-2名は行う予定である。

東アジアにおける東西文明の出会い或いは衝突

研究代表者
鈴木 陽一
研究分担者
[学内]
孫 安石、呉 春美、馬 興國、出雲 雅志、P.クリスチャン
[学外]
劉耘華(上海師範大学)、宋莉華(上海師範大学)
研究の内容
前年度までの研究テーマ「近代アジアにおける伝統文化の変容」を受け、今年度以降は、アジア近代化の過程において、アジアの都市において、東西の異文明、異文化がどのように出会い、衝突し、融合していったのかを、「科学技術」、「翻訳」、「モダニズム」、「消費文化」をキーワードとして、研究していくこととしたい。
研究活動
本年度は、まずキーワードの中で、「科学技術」と「翻訳」に焦点をあて、研究会、外部講師を招聘しての講演会を中心に行い、テーマのより一層の具体化と、後半の行動計画の策定を行う。これに基づき、年度後半は現地調査と研究会を有機的に組み合わせて研究を進める。

アジア地域におけるサンプライチェーンリスクマネジメントに関する研究

研究代表者
中島 健一
研究分担者
[学内]
趙 衍剛、ティオフィラス アサモア、堀口 正之、高野倉 雅人、佐藤 公俊
研究の内容
本研究は、アジア諸国を対象に過去の事例を調査し、サプライチェーンの脆弱性の原因を探る.その課題・背景を調査・比較分析した上で、地域間および産業間サプライチェーンにおけるリスク要因について討論により議論を深めながら、リスクの定量化および方策を提言するための数理モデルの構築を試みる。
研究活動
  1. 研究テーマに即した調査・研究の実施
  2. 研究討論会の開催

2015年ネパール大地震(Mw7.8)による被害と地域社会への影響

研究代表者
趙   衍剛
研究分担者
[学内]
荏本 孝久、島崎 和司、山家 京子、佐藤 孝治、犬伏 徹志
研究の内容
ネパールは、近年観光産業を中心に経済発展が著しく、首都カトマンズでは都市化が急速に進み、旧市街地の周辺に新しい市街地が拡大している。一方で、地震や洪水などの大規模な自然災害も多く発生している。残念なことに2015年4月にカトマンズ地震(Mw7.8)とその余震(Mw7.6)の大規模な地震が発生し、死者約8,000人、建物被害約14万棟に及ぶ大災害となった。 本共同研究は、下記の項目を主な調査・研究内容として実施する。
  1. ネパールおよびカトマンズの社会・経済構造の特徴
  2. 2015年カトマンズ地震災害の調査・分析
  3. カトマンズ及び被災地域の地盤と建物構造の調査・分析
  4. サイスミック・マイクロゾーニングの構築
  5. 地震災害の社会・経済的影響の調査・分析
  6. 2015年カトマンズ地震災害の地域社会へのインパクト
  7. 復旧・復興への提言
研究活動
ネパールの首都カトマンズは大規模な地震災害の発生危険度の高い都市であると言われていた。2015年4月に発生したマグニチュード7.8の巨大地震により発生した被害がネパールの地域社会にどのような影響を与えたか調査・分析を行うとともに、復旧・復興への提言と地勢的な観点から将来への防災・減災対策を模索するため、本研究テーマを設定し、上記に示した①~⑦の7項目で主な調査・分析を実施する。
初年度は、目的達成のため上記の7項目のうち、主に①~③を対象に進める。
  1. まず、震災前の時点を対象としてネパールおよびカトマンズの社旗・経済的な特徴を把握するために文献・資料の調査を行う。調査は本学図書館、経済・貿易研究所、他大学図書館、アジア研究所における文献調査を進め、必要に応じてネパール大使館などの協力を得て、国内および現地でも調査を行う。
  2. 一方、2015年4月に発生したカトマンズ地震災害の調査。分析については、既に速報的に公表されている既往の地震災害調査報告書など地震に関する情報を収集する。そして、なるべく早い段階でカトマンズと周辺地域を訪問して、地震災害に関する調査・分析を実施する。
  3. 同時に、地盤および建物の特性を把握するため、簡易地震計を持参して振動を実測して振動特性調査を行い、地盤の卓越周期や建物の固有周期などの分析を行う。